荷兮・基角句碑(背割堤) やわた市民文化事業団常任理事 垣内 忠 沓音もしずかにかざす桜かな 荷兮 新月やいつをむかしの男山 其角 「やわた文学碑」五基目は、江戸時代前期の俳諧師、荷兮(かけい)と其角の二人が桜や男山を詠んだ句です。平成二年四月一日に除幕されました。この碑をもって、「やわた文学碑建立事業」は終わりとなりました。 荷兮の句は、「沓音」を八幡宮神官の履物とし、八幡宮境内で桜の花を冠に挿して静々と神官が歩く様子を思い浮かべます。 背割堤は、明治初期の河川改修で築造され松並木が美しい「山城の天橋立」と称されていました。しかし、松並木は松くい虫の害で全滅し、昭和五十年に二百四十九本のソメイヨシノが植樹されました。今は、1.4キロの「花のトンネル」として、全国的な桜の名所となっています。 其角の句は、秋の季語である「新月」と男山の描写です。闇夜の中に浮かぶ悠久の神の山、男山を詠ったのではと考えています。 後 記 「やわた文学碑」建立事業に携わった者として、当時の 思い出を書き記す機会を与えていただいたことに、心から 感謝申し上げます。
by y-rekitan
| 2012-05-28 11:00
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