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◆会報第07号より-02 八幡の祭り②

シリーズ「八幡の祭りについて」・・・②
御薗神社のずいき祭り

是枝 昌一 (会員)


 今回は、三連休の真ん中10月10日(10月第一日曜日)、例年通り御薗神社にてとり行われたずいき祭に参列しましたので、まずその感想をお届けします。

 前日は秋雨。長引く事を心配していたが、さわやかな朝となり、少し早く家を出て、まず祭神を祀る御薗神社にお詣りをした。木津川のほとりの上奈良にある木立ちの中、静寂な境内を持つ神社で区内のご婦人がお二人、お供え、掃除とお祭りの準備中、お詣り有難うございますとお声を頂き、清々しい気持ちの参詣であった。

 ついで、上奈良公民館に、ずいきみこしが準備されているとの事から公民館に。すると、既に公民館広場に完成したみこしが設置されており、関係の方々がハッピ姿で巡行の準備中。地元役員の方々、担ぎ手を中心にご家族、お子様が集まり写真撮影中で、すばらしい家族的な雰囲気を感じた。早速、参列の私達にもお神酒が配られ、するめ、ちりめんのおつまみで美味しく頂いた。

 みこしは、下の写真の通り。ずいき(こいもの茎)に親芋をつけたままを軸として屋根を組み合わせ、果物・野菜・豆類で美しく飾られており、今年の収穫への感謝と来年の豊作を念ずるみこしである。とりわけシシトウとトウガラシの取り合わせが目を引いた。

 今年は、特に酷暑と水不足から、その思いが強く感じられた。二日前に同じくずいき祭のあった京田辺では、この夏の暑さでずいきが不足したとの新聞報道があったが、八幡はどうだったのか。

 たまたま隣におられた長老の方にお聞きしたところ、「美薗の場合は、年初めにみこし用の材料をそれぞれ分担養生栽培しているので、例年通りスムースに出来ました」との事。分担と共同作業がうまく作動しているようである。

 9時半より区内の巡行が始まった。みこしの担い手は左右5名ずつ。先導役は年配者が付き、可愛いハッピ姿の子供たちが綱を前後に引き「ヨイショ ヨイショ」と掛け声と共に町内を巡行する。良い思い出になるだろう。

 家々の方は門先で出迎え、上津屋の企業団地の中も巡行。新しい工場、倉庫の中にも掛け声が響き、新旧混じり合った良い雰囲気である。担い手には年少の中学生も交じっており、次のような会話があった。

   「何時から参加しているの」
   「今年から。おじいちゃんに勧められて参加しました。」
   「重くない?」
   「まだ背が低いので重くないです。大きくなったらがんばります。」

 三世代の家族で、おじいさんが熱心なようで、ほほえましい会話であった。

 一度公民館に戻りしばし休憩。続いて田中宮司、関係役員共々御薗神社に巡行。府道のため、車の交通整理があり、八幡警察の交通整理に守られ進行。その後、神社本殿にて一連の神事がとりおこなわれた。

 本殿前で、天狗面をつけた子どもによる「天狗」という芸能と、若者二人による「獅子舞」が行われた(この行事は京都府登録無形民俗文化財に平成19年3月16日に登録されている)。この後、参道にて、みこしの巡行が行われた。短パンの海外の方が担ぎ手に一名飛び込みで参加され、八幡の祭にも国際化の波を感じつつ午前で終了。神社を後にした。

上奈良の遺跡について

 帰りに四季彩館の朝市に寄り、ずいきを求めたが品切れであった。残念。

 御薗神社の南側には過去、工場建設、高速道路工事等の際に、遺跡の発掘が行われ、上奈良遺跡として注目されている。弥生時代から近世にかけての集落の跡が広がっており、古代の「久世郡奈良園」の想定地になっている。奈良の都の野菜類の供給場所とも言えるようだ。    文と写真:是枝昌一 
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by y-rekitan | 2010-10-28 11:00
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