◆会報第31号より-02 八幡の古建築

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《歴探ウォーク》
「八幡の古建築の探訪」
― 2012年10月  八幡市内にて ―


雨の中、盛会裏に「八幡の古建築の探訪」を実施

  10月28日(日)、標記の歴史探訪ウオークの日。ところがあいにくの雨模様。それでも、午前午前8時40分ごろから、昭乗広場には参加者がぞくぞくと集合。予定通り、午前9時には目的地に向かって出発しました。

f0300125_1633960.jpg まず、泥松神社へ。日頃、その前を通るだけで中に入ったことのない者には、泥松狸と庵主さんの縁起譚に心温まるものを感じました。往時には大阪や尼崎等から信者が集団で参拝したとのことです。

 続いて岸本のS家へ。町屋独特の平入りのくぐり戸、駒寄せ、連子窓、うだつ等を確認して屋内へ。土間は玄関から裏庭に続きます。夏は涼しいが冬は寒いとのこと。中二階には滑車が取り付けられ、昔はそこから柴を降ろしたとか。高窓からは自然採光がとりいれられる工夫がされています。

 次は、清水井のM家。最近リニューアルしたお宅ですが、昔の工法や様式を忠実に再現したもので、東高野街道の趣きが伝わってきます。ばったん床几を設置。近所のお年寄りが腰を掛けている姿も見られるとか。

 長屋門のあるH家を訪れました。長屋門には、門番が常駐したこともあるとのことです。新善法寺家とのゆかりのあるH家のご主人から徳川家康朱印状の写しを見せてもらいました。石清水八幡宮の社務回職に関するもので、実物は山城郷土資料館に委託されているとのことです。

神原地区にも昔の面影を残した古民家が並んでいます。白い土壁と庭の常緑樹が絶妙なコントラストを浮きだたせていました。

善法律寺に入り、普段見ることのできない諸仏を拝ませていただきました。本尊の八幡大菩薩像(僧形八幡神)には、神仏習合の姿を目の当たりに見る思いです。愛欲を力に変えるという愛染明王像とそれ(煩悩)を断ちきる不動明王像の姿には迫力がありました。そして、宝冠を頂いた阿弥陀如来立像は神々しく、千手観音菩薩像は神秘的でした。重要なことは、阿弥陀像が下院の頓宮脇にあった阿弥陀堂から、観音像は山上東谷の観音堂からもたらされたものであるということです。神仏分離の嵐に生き残ってきたのです。

雨はひっきりなしに続いていますが、城ノ内にある旧I家へ。八幡の町屋特有の三間つづきの間取り、座敷から庭の間にある濡れ縁などを確認しました。ガラス窓も古風です。

昼食後は、科手にある長宗我部盛親の隠れ家や駅前裏通りにある「引窓南邸跡碑」を見て飛行神社へ移動。

午後2時からは、小森正寛さんによる「古民家入門」のお話。NPO法人民家倶楽部代表でもある小森さんは、軽妙洒脱な語り口で皆さんを古民家の世界に誘い、古民家の魅力を実感させていただきました。

印象に残ったことを羅列すると以下のようになります。
  • 伝統構法とは、親方からうけついだ伝承工法による、日本古来の作り方であるということ。
  • 解放性が高く、間取りは建て主が考えるということ。伝統的構法は間取りの多様化に対応できる。
  • 建物を構成しているエレメントから民家建築を楽しもうという発想がユニーク。例として、虫籠窓(むしこまど)、 高窓、連子子(れんじこ)、ばったん床几、犬矢来、駒寄せ等。建具の繊細さにも注目すべきで、できれば自らスケッ チしてほしいとも。
最後に、日本の風土の中で生まれ育てられ、そこに暮らす人々の生活文化を生かす品格とあたたかみのある空間を感じさせる古民家の魅力を伝えて行きたいと述べ、今日のような取り組みが大事だと語っていただきました。

参加者は39名でした。雨の中で大変でしたが、大勢の方に参加してもらい、何より八幡の歴史と文化の魅力、そしてその奥深さを体で感じ取る一日になりました。(D)



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by y-rekitan | 2012-10-28 11:00 | Comments(0)
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