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◆会報第52号より-02 山崎・大山崎

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《2014年7月例会 歴史探訪ツアー》
対岸の町「山崎・大山崎」を訪ねる
安立 俊夫 (会員)


 表記ツアーを去る7月17日に無事終えることが出来ました。参加者全員が無事サントリー蒸留所でタクシーに乗り終わったとき正直ホットしました。その直後の、幹事有志による反省会では、総じて好意的な評価を頂き安心しましたが、一方で、もう少しゆっくりウィスキーを味わいたかった、土産物を買う余裕がなかった、全体の時間配分にもう少し配慮せよ等の反省点も多く浮かび上がってきました。

 当会の探訪ツアーは年一回を原則として、バスツアーで行こうと、昨年の山城郷土資料館・城陽市歴史民俗資料館のツアーの経験から決まっていました。また、訪問する地域としても今回は近くて遠い「大山崎」をということでした。私自身はツアーの企画には当初は参画してはいなかったのですが、大山崎歴史資料館の福島館長の講演担当になっていたということで、ツアーで館長にお世話いただくのであれば、始めから顔つなぎも兼ねて企画のメンバーに入っているべきという判断から参画させて頂きました。
 3月下旬、ようやく館長と直接連絡が取れ、「役所のこととて、年度末・年度初めは忙しくて時間がとれない。4月中旬以降にしてほしい」とのことでしたので、館長との打ち合わせの前に、少し予備知識を入れておくべきと思い、単身資料館を訪ね、一応の資料を入手しました。
 4月の最初の館長との打ち合わせで、実施日は、7月17日と確定しました。後で気が付きましたが、昔から7月17日は京都の祇園祭り山鉾巡行の日です。そして、祇園さんといえば雨模様というのが頭に刷り込まれていたはずなのです。“暑いであろう”が先に立って雨は忘れていました。エーイままよと開き直っていましたが、野外での活動の成功の鍵の50%以上は天候にあるといっても過言ではありません。そういう意味で“祇園さん”当日に設定したのは疑問符のつくものです。ただし、募集用チラシに“雨天決行”の文字を入れるのに何の躊躇もありませんでした。それは雨対策を十分に計画したということではなく、ただ単に開き直ったというだけです。
◆会報第52号より-02 山崎・大山崎_f0300125_9242392.jpg ツアーのルートは、夏場であることも考慮して、欲張らないことにしました。というのも、宝積寺や朝日ビール大山崎山荘美術館は、坂が急で時間的に無理。待庵は、人数的に無理ということで、歴史資料館・離宮八幡およびサントリー山崎蒸留所とその道中にある石碑や建造物などを見学することにしました。
 目玉の一つであるサントリー山崎蒸留所の見学受付が、5月1日からであることが分かりました。人数についても一グループの最大は40人と規制され、電話での対応では厳しいものがありました。
 幸い、5月1日に無事予約ができました。ただ、見学開始の15分前には受付に到着するように言われ、かなりスケジュールに制約が入ったような感じではありました。サントリーについてもう一つ肝を冷やした出来事がありました。募集チラシを配り終えたころ、電話があり、工場が工事中になるとのことです。最初とまどいましたが、いつもと異なる見学ルートになるだけということでホットしました。ついでに人数が30名にならないかと言われて、これにはまたびっくり。募集をすでに開始している旨お伝えして了解していただきましたが、40名厳守を約束させられました。
 募集チラシの案文について、担当者間でかなりハードな議論があったことにも触れておきます。ひとつは元の原稿に「本宮石清水」という表現があったことです。離宮八幡は、かつて石清水八幡と「本家争い」もしております。また、行教が八幡神を勧請したときに立ち寄った場所でもあります。地元の人々が「本宮(元)石清水」というのもむべなるかなと思っていましたが、担当幹事の一人から、“「石清水八幡宮」の麓に住みながら何という表現をするのか!”との権幕で、その一言の削除が強く求められました。
 たまたま、府内関係市町村が共同で発行している観光パンフレットを見かけましたが、そういった表現は見られないこともあって「本宮石清水」は削除されました。
 もう一つは、山崎・大山崎とは大山崎だけでよいのではというものです。これは現在では両方それぞれに使われているのでそのままとしました。
 この企画はもともとバスツアーでした。“バス”という一種閉ざされた空間で一時でも過ごすという一体感を享受する面も捨てたものではありません。今回もそれを基本に計画を立てようとしましたが、目的地が近いこと、訪問先に駐車場がなく、当地での移動は徒歩のみであること等を考慮して、タクシーに往復分乗することゝしました。課題としては約10台のタクシーが都合よく確保できるか、乗降がスムーズに処理できるか、交通渋滞による費用の増加はないか、などがありました。ただし、平日でしかも昼間の事で、天気さえよければ台数の確保は問題ないし、雨が降ってもこの時間帯なら若干時間はかかっても何とかなると結論づけました。
 スムーズな乗降については、往きは受付の混雑を避ける意味で、参加者の集合順に乗発車することとし、乗車順に番号札を各人に渡すことで参加者の確認をとりました。また、訪問先での説明や行動の単位としてのグループ分け、さらには帰りの乗車も同じ番号とすることで、乗車順の混乱、乗残しなどのトラブルを回避できました。
 現地での受付では、二階で受付机を用意するという有りがたい申し出を頂きました。机や椅子の移動など、受付時に人手が要ることが予想され、慌てて一号車を幹事のみの先発隊として準備と受付業務をお願いしました。
 当日の昼食のとり方も大きな課題でした。参加者のほとんどが、それほど土地勘がなく、食堂等の情報が不足していました。私はネット地図をコピーして全員に渡すことを提案しました。ところが、担当者である石瀬さんがいつの間にか一人で、周辺の食堂関係を調べておられました。手書きで位置図を作成し、店毎の昼メニューと値段・開店時刻まで入れ、さらに当日訪れる場所・昼食後集合場所が明確に分かるように仕上げられたのです。当日お渡しした案内図がそれです。これによって、思った以上に混んでいた食堂の状況でしたが、何とか全員昼食をとることができました。
 ツアーの最後は、歴史を離れた(サントリーの歴史は聞いていましたか?)工場の見学と楽しみにしていた試飲です。
 最初の一口の旨かったこと!!! 暑かったのにビールでなくても十分でした。
 ここで最後の失態でした。もう少し時間的に余裕をとっておくべきでした。せめて後15分余裕があれば試飲を堪能し、お土産もゆっくり探せていただけたと後悔しています。ただ、タクシー確保の一点のみが頭から離れず、予定時刻の変更にまでは気が回りませんでした。申し訳ありませんでした。

 いずれにしても、福島館長はじめボランティアガイドの方々、サントリー関係者の方々の惜しみないご協力を得、幹事の皆さんのご協力、そして参加していただいた皆様のご理解により、天気も味方してくれて、予期以上のツアーになったのではないかと喜んでいます。紙面を借りて謝意を表させていただきます。付け加えさせて頂くなら、このようなスマートな、内容のある資料館を見せて頂き、八幡市でも何とかして、いつでも気軽に市民や小中学生が遊びに来られる身近な空間を創って欲しいという思いが一層募ったことでした。

     
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歴史探訪ツアー参加記
穐月 哲 (会員)

 今回は「大山崎の油座」について「大山崎町歴史資料館」で福島館長から多くのことを教えていただきました。
 先ず、油座の構成員は離宮八幡宮の神人であり、離宮八幡宮の社司が油絞りの圧搾機を開発したこと。原料のシソ科の荏胡麻(えごま)の産地は当地山崎産ではなく、岐阜、近江など広範囲から買い入れ仕入れの特権を持っていた。又大和をのぞく近畿一円に販売の独占権を持っていたこと。用途は主に神社に使う灯明で、石清水八幡宮の神事に携わり幕府・朝廷から保護され発展した。など学びました。他の展示も行基の掛けた橋など古代の交通の要衝であったとがよく分かる地図が俯瞰(ふかん)され山崎の重要性がよく理解出来、又山崎の合戦の現状が目の当たりに分かるのも醍醐味でした。◆会報第52号より-02 山崎・大山崎_f0300125_15553334.jpg
 こじんまりした資料館ではあるものの、山崎の歴史と文化を分かりやすく展示し、解説ボランティアさんは熱心にお話して下さり感動しました。私の住む枚方は、文化財はその都度少しだけ分散展示し、一堂に会するような歴史資料館はありません。行政の意識の違いを強く感じました。
 ところで私は学生時代、阪急電車でいつも対岸の景色を憧れの気持ちで見ていました。淀川左岸から眺める対岸は緑に囲まれた風光明媚な場所、天皇の離宮が作られるに相応しい場所だったのでしょう。そして現代では名水が上質のウィスキーを醸し出しています。今回ツアーの最後はハイボールで乾いた喉を潤しました。今年最高の暑さにもめげず、皆さん元気でハイボールに寛ぐ姿に思わず乾杯!
 さらに「おかわり」しました。本当に上質、最高の味わいでした。
とても楽しいツアーに参加させていただきありがとうございました。

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by y-rekitan | 2014-07-28 11:00
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