◆会報第56号より-01 女郎花塚

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わが心の風景・・・(29)
悲恋を伝える女郎花塚
所在地 八幡女郎花

f0300125_11571972.jpg 松花堂庭園の西隅にある小さな五輪石塔は女郎花塚と呼ばれていて、叶わぬ恋の悲しみが今に伝えられています。
 平安時代の初期、小野頼風という人がいて、京の女と深い契りを結んでいましたが、やがて京での勤めを終えて頼風は八幡に帰ってしまいました。女は音信不通の頼風を尋ねて八幡へとやってくると、頼風が他の女と暮らしていることを知るのです。女は悲嘆のあまり、着ていた山吹重ねの衣を脱ぎ捨て、泪(なみだ)川に身を投げて死んでしまいました。やがて朽ちた衣から女郎花の花が咲き、その花に頼風が近づくと、花は恨んだ風情で頼風を嫌うようになびくのです。「こんなにも私を恨んでいるのか」と頼風は自責の念にかられ、同じように川に身を投げて死んでしまいます。
 人々はこれを哀れんで二人の塚を築き、物語は謡曲に仕立てられて、さらに多くの人々の涙を誘うこととなりました。その後、頼風の塚には「片葉の葦」が生え、女郎花塚に向かって「恋しい恋しい」となびいているそうです。    (絵と文: 小山嘉巳)


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by y-rekitan | 2014-11-28 12:00 | Comments(0)
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