淀屋遺愛の手水鉢 所在地 八幡女郎花 松花堂庭園書院の西にある小さな庭に「砧(きぬた=洗濯後の生乾きの布を棒や槌でたたいて柔らかくしたり、シワをのばす道具)」と呼ばれる手水鉢(ちょうずばち)があります。 これは、天下の台所「大坂」の礎を築いた江戸時代の豪商淀屋辰五郎遺愛の品と伝えられています。 男山の麓、柴座(現八幡山柴)の淀屋辰五郎邸にあった頃、神應寺に近い谷不動から地下に伏樋し、安居橋はその裏に筧(かけい)を添わせ、居宅の庭の手水鉢に水が引かれていました。その手水鉢には、下部側面に五センチ程度の穴が空いていて、手水鉢上部、中央の二センチ程の開口部に繋がっています。 辰五郎は、取水地との落差で生まれる水圧を利用し、手水鉢内で踊るこぶし大の石が奏でる「砧のような音」を楽しんだと考えられます。(一説には噴水を二階から楽しんだともいわれる)また、筧が伏せられた小路は、管内を流れる水の音から「ドンドの辻」と呼ばれていました。(絵と文小山嘉巳)
by y-rekitan
| 2014-12-28 12:00
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