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◆会報第58号より-04 ずいき祭り

ずいき祭り
―大福梅のお茶をいただきながら―
野間口 秀國 (会員)


 会報55号から続く大田友紀子さんの「御薗神社考」は神代(かみよ)の昔にまで遡る労作でありとても興味深く読ませていただいております。氏の幅広く奥深い知識には到底およぶものではありませんが、書かれたことを読みながら御薗神社と北野天満宮との歴史的な繋がりの理解が少しだけ進んだように思っています。
 すでに二年以上過ぎましたが、2012年10月7日は晴天に恵まれ、その前日の新聞記事を読み、御薗神社秋祭りの「ずいき神輿」巡行と舞いの奉納を見学しました。以下は書き留めた見学時メモの一部です。

(略)上奈良の公会堂を目指し、ねり歩くずいき神輿を見つけ、素晴らしい出来栄えにシャッターを数回押す。(略)しばらく府道を引きまわされた後、神輿は御薗神社へと導かれた。神社では主催関係者(?)の発声で笑いの三本締めが行われた。続いてお酒や米、野菜、果物、料理、餅などが奉納され、天狗の面をつけた稚児が左手を三回廻して左手で前を突くようなしぐさをし、右手でも同じ動作をして神に納めた。その後、大人の男性二名による獅子舞が奉納された。稚児の祈りと大人の獅子舞奉納は二回づつ行われた。◆会報第58号より-04 ずいき祭り_f0300125_11143866.jpg(略)近くの老齢のご婦人から、ご主人が神輿の飾り付けをされたことをお聞かせいただいた。また、使われたずいき(サトイモの茎)以外の野菜や果物などは何名かの地元の方々が育てられたものを出し合っておられることも教えていただけた。五穀豊穣祈願と収穫への感謝を込めた祭りだけに、ずいきの他にも穀物、野菜、豆類、果物などゆうに二十種類以上は確認できた。-- メモ引用終わり --

 昨年の10月に流れ橋交流プラザに開店した地元野菜の販売所に年末に足を運んでみました。そこには地元で採れたみずみずしい野菜が多く並んでおり、買い求めた小芋が雑煮の椀に登場しました。きっと神輿を飾った野菜を提供なさった方々の手で育てられたのでしょう。
 先月会った宝塚に住む知人のYさんが「最近のマイブームは京都・観光文化検定試験だ」と話してくれました。彼が受験したか否かは聞きそびれましたが、平成26年度の同試験の3級問題(5-46問)に『五穀豊穣を祝い、毎年10月1日から5日に瑞饋(ずいき)祭りが行われる神社はどこか。』との問いがあり(*1)、解答が「北野天満宮」であることが分かったのは小さな喜びでした。これも冒頭の大田さんの連載から得られた知識と自らの体験から学んだものと思っております。書かれたものに出来るだけ目を通し、現場に足を運び、見たり聞いたりしていると歴史への理解が少しづつ深まるような気がしております。他にも、同試験の2級問題、1-4問(解答:尊勝寺)と3-29問(解答:浄瑠璃寺)も関連新聞記事(*1)や現地発掘説明会(*2)での学びが役立ちました。
 ひつじ年の穏やかな正月。師走に北野天満宮に足を運び、買い求めた大福梅のお茶をいただきながら、家族の健康を願うとともに、起源と伝わる村上天皇の天暦の御代(947~957年)の出来事に思いをはせていました(*3)。

 参考資料
(*1):共に2014.12.19の京都新聞記事
(*2):2014.12.20の実施時配布資料「尊勝寺跡・白河街区跡・岡崎遺跡発掘調査現地説明会資料-九体阿弥陀堂の調査成果-」
(*3):北野天満宮の大福梅、福寿園の大福茶に添えられた説明文
by y-rekitan | 2015-01-28 09:00
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