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◆会報第82号より-01 柏亭日記

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心に引き継ぐ風景・・・⑬

橋本へ象を見に行く・『柏亭日記』
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 江戸時代、8代将軍徳川吉宗の時にベトナムから日本に象がやってきました。大変珍しい象の一行は江戸に到着するまで、どこでも大人気で沢山の見物人であったと記録に残っています。長崎に着いた象の一行はその後大阪に到着し、京都に向けて京街道(東海道)を進みました。享保14年(1729)4月25日枚方宿を出て、伏見宿に向かいますが、休憩地の淀宿に至る途中、八幡を通過します。
 八幡宮の神人柏村直條(八幡八景選定者)が残した「柏亭日記」の中に橋本の象見物の記事がありました。
  「四月廿五日晴」 〇妻女孫共橋本へ象ヲ見物ニ罷ル
 妻女孫達は森町の家から科手道を経て橋本に入ったと思われますが、象が通過した八幡の京街道は現在、橋本東部から美豆の間が木津川と宇治川の川底になって分断されています。
 5月に入ると中御門天皇が詠んだ歌も伝わってきたようです。
  「五月五日曇、晴」   象   御製
    時しあれハ 人の国なる けたものを
    けふ九重に みるかうれしき
               
 錦市場の青物商の長男に生まれた伊藤若冲も13歳の頃、都でこの象に出会ったと伝わっており、長じて象を巧みに描いた作品が残っています。
(文と図 谷村 勉)空白


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by y-rekitan | 2017-11-27 12:00
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