◆会報第88号より-05 三宅碑


「大西坊跡」碑の発見と「西遊寺」の三宅碑

谷村 勉(会員)


 最近、道標や石碑の話題に事欠かない。八幡の道が「八幡宮参詣道」として利用、発展して来たことを物語る江戸時代の「八まん道」や「八幡宮道」などと彫られた道標が近隣自治体を含めて実は100基以上確認されている。本会から出版された『増補版「石清水八まん宮道」に誘う道標群』にも97基が紹介されている。これほどの数の「八幡道標」の存在は、多くの人々が八幡を目指して「八幡宮道」を行き交った記録であり、一つ一つの道標が実に得難い我々の歴史遺産といえる。道標巡りのファンからは色んな情報を頂くようになった。“掛け替えのない江戸時代の道標を探し当てて感動した”という便りも届いた。

「太西坊跡」の三宅碑発見

f0300125_2147878.jpg 熱心な道標マニアから「大西坊跡」の三宅碑がある! との連絡を貰い、現地に走って捜し回ると、ついに藪に寝ている三宅碑を発見した。
 正面「大西坊跡、右隣萩坊跡 左隣護国寺跡」、裏面「昭和二年九月 京都三宅安兵衛依遺志建之」とあった。『昭和3年八幡史蹟名勝誌』項目一覧(会報第79号/中村武生)に「13大西坊跡」と掲載される、知る人ぞ知る三宅碑である。
 この三宅碑には「右隣萩坊跡、左隣護国寺跡」と書かれていることから「護国寺跡」の東側にある「太西坊高灯籠(明和九年・1772建立)」の下り階段側の電柱付近に建っていたと推定される。しかし実際の「太西坊跡」の場所はこの「太西坊高灯籠」の横から、今は誰も歩くことはない「護国寺跡」北側の坂道を登りきって、東参道鳥居を抜けて展望台のそばから入った本殿北面の麓にある。(下記地図参照)
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橋本「西遊寺」の三宅碑

 橋本「西遊寺」の正面玄関左側に横長の「是山崎名勝古蹟至」の石碑がある。この石碑が「三宅碑の道標」であることを知る人は意外に少ない。三宅碑と言えば大抵四角い縦長の石碑を思い出すが、この道標は横長であることと、後ろの壁との間に余裕がない為、三宅碑とは気づかれないようだ。
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 裏面に「昭和三年一月 京都三宅安兵衛遺志建之」とある。昭和3年当時、橋本から山崎へ舟で渡り、離宮八幡宮や妙喜庵、水無瀬宮などの古蹟に至る距離を示している。
                   
by y-rekitan | 2018-11-30 08:00 | Comments(0)
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