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◆会報第99号より-05 蝶の巻


時々昆虫少年 蝶の巻

谷村 勉(会員)


アサギマダラ

子供の頃、蝶の標本は何処の昆虫館でもたしかに宝石のように輝いていた。◆会報第99号より-05 蝶の巻_f0300125_10335446.jpgしかし、これだけ多くの蝶を採集するのはとても無理と、いつか採集の対象から除外していた。
 3年前、フワフワとフジバカマの花に蝶が止まるのを見た。今まで見たことのない蝶だった。幸運にも写真に収めることができた。すぐ図鑑を調べてみると「アサギマダラ」と分かった。沖縄や東南アジア方面へ移動するときに集団からはぐれてしまい、羽を休めていたのかもしれない。上翅(じょうし)は黒色、下翅(かし)は茶色で縁(ふち)取りされていて、透き通る淡いブルーのマダラ模様は、ステンドグラスの質感にも似てまことに美しい。以前よく通った「八ヶ岳」周辺では見られるそうだが、八幡で見たのが不思議だった。

コミスジ

◆会報第99号より-05 蝶の巻_f0300125_10422547.jpg フワフワと飛ぶ身近な蝶にコミスジがいる。フワフワっと羽ばたいた後、水平飛行し、それを繰り返してゆっくり飛ぶ特徴がある。改めて飛行リズムを観察すると楽しい。
 アゲハ蝶のように忙しそうに飛び回らないのも嬉しい。「コミスジ」は里山に近い入口の、低い枝葉に羽を広げて止まるので、子供でもわりあい楽に採集できる。

クロアゲハ

 何といっても蝶で注目されるのは、やはり忙しく飛び回るアゲハ蝶であるが、◆会報第99号より-05 蝶の巻_f0300125_10553885.jpg先般、クロアゲハ(メス)が翅(はね)を休めている瞬間を捉えることができた。実は八幡でもいろんな種類のアゲハチョウ科の蝶を見ることができる。ナミアゲハ、キアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、カラスアゲハなど実に多彩である。楠木を食樹とするモンキアゲハなどは近年大変に数が増えたような気がする。男山周辺樹林帯の樹木の豊かさは、蝶の食樹の木々の豊かさでもあり、アゲハ蝶の種類の豊かさ、多さに繋がっている。日常の中に何と多くの蝶が飛び回っていることか!。


by y-rekitan | 2020-09-28 08:00
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