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◆会報第107号より-01 道標物語①

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心に引き継ぐ風景・・・㊳

文化財!「八幡宮道」道標物語 ①
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 「八幡宮道・道標」は発見の感動やその建立過程から見える伝承は人生を豊かにする貴重な文化財と考えます。それは道案内と共に数百年にわたる固有の歴史をも想像させ、建立の思いは幾世代にもわたって守り伝えられてきた貴重な財産として、現在を生きる我々の眼前の路傍に存在しています。
 牧野の船橋川堤にある写真右の大きな道標は「八幡宮」と大文字で書かれ、その下には「参詣道・橋本へ一里」とあります。上部に本尊「八幡大菩薩像」が彫られた唯一の道標で、江戸時代まで八幡宮が「神仏習合」の神社であった事実を伝え、また、楠葉、牧野地域が古来八幡宮の文化圏で、八幡宮を支えてきた地域であったことも伺えます。
 中央に多くの名前が刻まれた道標が見えます。「右 山城 志水」とあり、八幡宮参詣道である「八幡志水大道(しみずおおみち)」を案内しています。八幡住民が現在も「志水」と呼ぶ所です。開発前の船橋川周辺一帯が葦の林に覆われていた昔、多くの人が「志水」へ買い物に通いました。この道標、実は村相撲の力士達の供養塔です。七名の名前はすべて四股名です。楠葉の七ツ松峠に本拠を置く「七ツ松部屋」の力士達で、「鳥羽伏見の戦い」で幕府軍に力仕事で奉仕・世話をした力士達のものとの伝説があり、官軍の猛攻に巻き込まれてしまったものだろうか。建立は「七ツ松門弟中」とあり、七ツ松の「力士墓道標」はこの他にも数点、現在も残っています。
(文と写真 谷村 勉)空白


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by y-rekitan | 2022-01-24 12:00
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