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◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9

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《歴探ウォーク》
八幡の古寺巡礼
―第9回:八角堂~正法寺―

2021年12月 八幡市内(旧志水大道) にて
高田 昌史 (会員)

 今年の古寺巡礼は、12月9日に開催し八角堂内見学後に正法寺に移動しました。正法寺では歴史講話を拝聴後に、ご住職に境内の案内・重要文化財等の説明をしていただきました。最後に法雲殿に安置されている八角堂のご本尊の阿弥陀如来坐像を拝観しました。
 今年の古寺巡礼も昨年同様にコロナウィルス感染防止のためマスクを着用してのウォーキングとなりましたが、当日は晴天に恵まれました。
 参加者は28名。

第9回古寺巡礼コース

 ◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_11422116.jpg八幡の古寺巡礼は、2013年12月に開始以来9年連続で開催できました。
 昭乗広場で受付後に旧道を通り、すぐ近くの八角堂に移動してから、八角堂前で配布の「しおり」によるコースの概要説明と移動時の注意事項をお話してから見学としました。
 今回の歴史ウォークは距離約1.5㎞と短い平坦な一般道路を車に注意しながらの移動でした。(コース図参照)

1.八角堂

 前方後円墳である西車塚古墳の後円部頂部上に建つ八角堂は、今から約800年前、建保(けんぽう)年中(1213~1219)に順徳天皇の祈願をうけ、当時の石清水八幡宮の検校であった善法寺祐清(ゆうせい)により、◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_11504124.jpg石清水八幡宮境内の西谷にある三女(さんじょ)神社の北西付近に建立された。ところが、明治元年(1868)に発布された神仏判然令(神仏分離令)により起こった廃仏毀釈により、男山山中にあった仏堂や塔など仏教に関連する建物は、ことごとく破却されていきます。そんな中、八角堂は正法寺住職 志水円阿(えんあ)が入手したことにより破却を免れ、明治3年(1870)、八幡の町衆が中心になり、現在の場所に移築されました。
 八角堂本尊の重要文化財指定の阿弥陀如来坐像は京都国立博物館に寄託されたが、平成20年(2008)に本日見学する正法寺の法雲殿に移されました。
 ◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_11580779.jpg八角堂は事前に団体見学を予約していたので、見学前に八幡市文化財保護課の村井氏から「史跡 石清水八幡宮境内(八角堂)」の資料が配布されて詳細な説明がありました。
 その後、2班に分かれて堂内を見学し、平成25年(2013)から5年間の補修修理で見事に復元された美しい極彩色の姿を確認できました。
 それに、八角堂の外からは隅切形八角屋根の16面の鬼瓦や屋根下に置かれている珍しい鬼瓦も近くで見物できました。
 また、元々旧道の志水道にあって開発から守るべく八角堂手前に移設された慶応3年(1876)建立の「役行者道標」碑文“すく八幡宮道”を確認して正法寺に移動しました。

2.正法寺

 正法寺では山門前で拝観・見学予定等の説明後、山門をくぐり正面に重要文化財の唐門を見ながら参道を進み、庫裏門から玄関に向かいました。◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_12034858.jpg正法寺は約830年前に開かれ、室町時代には後奈良天皇の勅願寺となっています。江戸時代初期には志水宗清の娘お亀(相応院)が徳川家康の側室となり、尾張藩初代藩主・徳川義直の実母となりました。その後に相応院の菩提寺となり、尾張藩の厚い保護を受けてきました。現在の正法寺伽藍は相応院の寄進により建立されたものです。
 正法寺玄関で眞野正信住職に出迎えいただき、ご住職の案内により先ずは廊下を通り重要文化財の本堂に向かいました。◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_12101047.jpg本堂では正法寺の歴史講話を拝聴しました。講話の後に正法寺本尊の重要文化財の「阿弥陀三尊像」を近くで拝観しましたが、この本尊の製作年代は鎌倉初期(12世紀末頃)と推測されるようです。
 本堂内の他の仏像拝観や極彩色の柱や天井等を見学後に、ご住職の案内により小方丈から書院(何れも京都府指定文化財)に向い、小方丈や書院からの庭の眺めも楽しみました。特に山斜面に広がる庭園の紅葉は素晴らしく、◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_12134933.jpg同時に斜面庭の手入れは大変だろうと思いながら見物し、伽藍一番奥の方丈居間から大方丈に向かいました。大方丈は前三室と後三室の構成ですが、多くの襖絵を廊下から見学すれば、特に狩野探幽の作と推測される重要文化財の「松の大木」を中心に描写された、八面にわたる雄大な襖絵には流石に圧倒された!
 大方丈から玄関に行き靴を履いてから庭を通り、最後に見学する八角堂のご本尊が安置されている「法雲殿」に向かいました。
 法雲殿は境内の一番東、平成20年(2008)に建てられ、それまで京都国立博物館に寄託されていた八角堂の本尊で重要文化財「木造阿弥陀如来坐像」が安置されています。◆会報第107号より-03 八幡古寺巡礼9_f0300125_12180064.jpg木造阿弥陀如来坐像は中品中生(ちゅうぼんちゅうしょう)の説法印を結び、光背には13体の化仏(けぶつ)を配した檜材寄木造の座像です。全長4m80cmにも及ぶ大作で、鎌倉時代の快慶の作ではないかと推測されている大きな坐像には圧倒される大きさであった。
 また、法雲殿内には正法寺所蔵の徳川義直の直筆「徳川家康像」及び「相応院図」の掛け軸も展示されており、現物を確認出来て誠に幸運でした。
 法雲殿見学後に、西側の参道への竹垣を開けていただきご案内していただいた眞野住職とお別れし、参道に戻って一般道の前で解散しました。

おわりに

 今回の第9回八幡の古寺巡礼コースは、最初に八角堂内部を見学して中央空間部の本尊の元の場所を確認し、正法寺に安置されている本尊を拝観する目的が達成できました。
 正法寺では眞野住職ご自身の本堂での歴史講話に引き続き、各伽藍をも案内説明していただいたことに、参加者の数名の方から大変よくわかったと感謝の連絡がありました。主催者としても感謝と御礼を申し上げる次第です。
 連続9年になる「八幡の古寺巡礼」は、昨年に引き続きコロナ禍の中、マスクをしてのウォーキングでしたが、当日は晴天に恵まれて気温も上がり快適でした。ただ、解散する正法寺近くのバス停からのバスの便が1時間に一本程度なので、バス便を気にして正法寺での案内時間を切り詰めていただいたのですが、帰りにバス便を利用される方はなく参加された皆様は気持ちがよい陽気なので石清水八幡宮駅や集合場所の松花堂庭園まで徒歩で帰られました。
 最後に八幡の古寺巡礼の例会は第10回になる来年も開催する予定ですので、推奨コースや八幡の古寺に関する情報等がございましたら、お寄せいただきたくお願い致します。

参考資料-主に参加者に配布の「案内しおり」に使用
平成28年度八角堂保存修理工事現地公開 当日資料
        八幡市教育委員会 文化財保護課(平成28年11月26日)
史跡 石清水八幡宮境内(八角堂)保存修理工事報告書
          (2019八幡市教育委員会)
HP正法寺|京都八幡 徳川家ゆかりの寺 (http://shoboji.or.jp/) 
「神仏習合―日本文化の源流と八幡信仰」資料集、
          (平成22年八幡市教育委員会)
八幡正法寺の名宝展(平成16年八幡市立松花堂美術館)
増補版「石清水八まん宮道」に誘う道標群 江戸時代の八幡道標
       (第3刷2021年11月20日 八幡の歴史を探究する会発行)
歴史たんけん八幡(2015年9月1日 八幡の歴史を探究する会発行)
八幡の歴史を探究する会 
    会報第88号より-04「お亀の方について」2018年11月
  

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by y-rekitan | 2022-01-24 10:00
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