御幸道道標再建 114号


江戸時代の「石清水八幡宮鳥居通御幸道」道標が
再建されました

高田 昌史(八幡の歴史を探究する会 事務局)


はじめに

 2009年に御幸橋改修工事に伴い撤去されていた「石清水八幡宮鳥居通」の道標が、この度、現在整備中の石清水八幡宮駅方面の道路脇広場に13年ぶりに設置されたので報告します。
 この道標は八幡の歴史を探究する会が八幡市に再建を要望していたものであり、要望を進める中で道標の下端部に見えない文字があったことや道標自体の欠損もあったことが判明したため、その修復も含めてお願いしていたものでした。
 結果は本会の要望通りに、撤去道標の現物で地下に埋もれて見えなくなっていた碑文の“御幸道(みゆきみち)”部分が見えるようになり、その下の折損部も継ぎ足され「石清水八幡宮鳥居通御幸道」道標として修復建立されました。道標の高さは305㎝もあります。(写真参照)
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 道標碑文の最下端“御幸道”まで確認できる道標設置により、本道標が男山考古録に記載の「正徳3年(1713)に石清水八幡宮検校新善法寺行清が建立した道標」であることが明白になり、お陰さまで貴重な歴史遺産として後世まで残したい道標が再建されました。〔「石清水八まん宮道」に誘う道標群 (八幡の歴史を探究する会) 参照〕
 なお、工事中で立ち入り禁止の「道路脇の広場」は3月25日から立ち入りが出来る予定と八幡市役所の都市整備部から伺っています。

道標再建までの経緯

 本会の「御幸道」道標の再建活動についての経緯は、【会報75号(2016年9月発行)記事】で詳細に報告済ですが経過の概要を以下にまとめました。
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(1)2004~2010年までの宇治川御幸橋改修工事に伴い、御幸南詰の緑地帯が廃止となり、設置されていた道標や石碑等は全て撤去されました。
(2)その後、撤去された道標(写真「2009年まで設置道標」参照)が行方不明となったため、2016年7月に「京都府山城北土木事務所」を訪問して道標の行方について聞き込み調査を開始しました。
(3)当初は河原に保管していると伺い河原を探しましたが、確認できませんでした。
(4)その後、土木事務所から道標は碑文に「石清水八幡宮鳥居通」とあるので、石清水八幡宮に返却されたと連絡を受けました。
(5)石清水八幡宮に問合せると当時の担当者が退職されていたので、西禰宜に保管場所の調査を依頼した結果、石清水八幡宮頓宮の中庭に保管されていることが判明しました。
(6)2016年7月7日に石清水八幡宮の西禰宜案内により、通常は入れない頓宮中庭に出向いて保管道標を確認できました。道標は中庭の軒下のビニールシートに包って保管されていました。
(7)西禰宜立会のもとに保管道標のビニールシートを外し確認すると、以前の設置時コンクリートで固められていた下端部に“御幸道(みゆきみち)”の碑文を発見し、この確認により道標は江戸時代の「正徳3年(1713)に石清水八幡宮検校新善法寺行清が建立した道標」であることが明白になりました。
(8)翌日の2017年7月8日に八幡市役所「都市整備部」を訪問して元の設置場所に近い計画中の御幸橋南詰~石清水八幡宮駅への道路脇の広場に道標再建を依頼。また、再建道標は折損部を現在の技術で接続して、是非今回確認できた道標最下部の碑文“御幸道”がわかるように設置をお願いしました。
(9)その後広場に計画図に道標設置を入れていただき、会として工事の進捗状況をフォローしてきましたが、2023年1月17日に都市整備部の担当の方から、メールで工事中の道路脇の広場に道標設置が完了連絡と設置道標の撮影写真をお送りいただき、道標は本会の要望通りに設置されたことが確認できました。

《御礼》

 今回の道標の行方調査から再建計画までの調査聞き込み等は多くの方々のご協力により、御幸橋南詰に設置の「石清水八幡宮鳥居通」の道標は、由緒ある江戸時代の「石清水八幡宮鳥居通御幸道」道標と判り、新しく設けられた御幸橋南詰道路脇の広場に設置が完了しました。
 長年にわたり道標設置のために情報提供やご協力いただいた、「京都府山城北土木事務所」や「石清水八幡宮」及び設置にご尽力された「八幡市役所都市整備部」の関係各位に改めて御礼申し上げます。お陰様で本会の要望通り道標再建ができました。

参考資料
〇「八幡の道標を訪ね歩く」(私家版・神戸市荒木勉著-平成25年7月刊)
〇 男山考古録(長濱尚次著)嘉永元年(1848)-石清水八幡宮史料叢書1- 
〇 山上山下惣絵図(国立公文書館内閣文庫蔵) 江戸時代中期の絵図
〇 石清水八幡宮全図 中井家文書(京の記憶アーカイブ)
〇 重要文化財 石清水八幡宮境内全図 寛延四年(1751)(石清水八幡宮蔵)
〇 増補版(第4刷)「石清水八まん宮道」に誘う道標群p16
                       (八幡の歴史を探究する会)


by y-rekitan | 2023-03-30 09:00 | 事務局だより
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